「はい、結構です」、「大変結構です」、「結構ですねぇ」、「結構なお点前(おてまえ)で」、「結構なドレスですね」というような言葉をよく聞きます。
このとき、その言葉は肯定であったり賞賛・賛美の意味で使われます。
ところが同じ「結構です」でも、「もう結構です」、「いいえ、結構です」と言われると、それは否定の言葉になってしまします。
この肯定と否定の2つの使い方を切り分けるポイントは何でしょうか。
そもそも「結構」という言葉自体に否定の意味はありません。
「結構」の意味は「すぐれていて欠点がない」「それでよい。満足である」といったものです。
従って肯定的な使い方は本来の「結構」の意味をそのまま使用していると考えて差し支えないでしょう。
一方で否定的な使い方はどうでしょうか。
「もう結構です」という否定の使い方も、実は「私はもう十分満足しています」という満足の意を表しています。しかし、その満足の裏に「満足なのでそれは不要です」といった満足の裏返しとしての否定の意も持ち合わせています。