刑事裁判で「無罪」とされた被告が、同じ事件について民事裁判にもかけられ、そちらで「有罪(責任がある)」とされる場合があります。
一体なぜこのようなことが起こり得るのでしょうか。
この理由は刑事裁判で「有罪」とされた場合の「罪に対する罰」と、民事裁判で「有罪(責任がある)」とされた場合の「責任に対する賠償」の重さの違いにあります。
刑事裁判で「有罪」とされると、「前科」がつきます。
「前科」は決して消えることはなく、当人の人生に重くのしかかります。
禁固刑を受け、十分に反省と後悔をして出所をした後も、「前科者」というレッテルを貼られ、まともに職に就くことができなかったり、後ろ指を差されたり、白い目で見られたりするのです。
一方、民事裁判で「有罪(責任がある)」とされた場合は、指摘された責任に対する賠償を行うだけで、前科などはつきません。
極端にいうと「お金を払って、はい、オシマイ」という事になるわけです。
まず、刑事裁判と民事裁判はこの点が大きく違うということが前提にあります。