「失礼します」という言葉は状況によって微妙にその意味を変えます。
たとえば、面接のとき面談室に入る際に言う「失礼します」または「失礼致します」について。
これは他人の部屋に入る際、こちらの用件で相手の時間(空間)に割り込むことに対する「失礼にあたるかもしれませんが、お邪魔致します」という気持ちを表した「失礼します」ということになります。
部屋の中でどのような事が行われているか分かりません。相手は何かをしている途中であったり、休息をとっている最中かもしれません。そこでノックをして「どうぞ」と中から声がかかっても、入る際には「失礼いたします」となるわけです。
特に自分が所属していない人たちがいる部屋・場所に入るときには、人の有無、相手が目上か目下かなどに関わらず「失礼します」と挨拶をした方が礼にかなっています。
例えば生徒が職員室に入るとき、社会人でも他社はもちろん他部署の部屋に入るときなども同様です。
なお、言葉では「失礼します」と言いながら、相手の返事も待たずにズカズカ中に入っていったり、「失礼しま〜す」などと無意味に語尾をのばしたりする人を見かけるときがありますが、それはまさに礼を失している態度になりますので、言葉だけではなく態度でもその気持ちを示すことが必要です。