「眉唾(まゆつば)」「眉唾物」の語源は、「騙されそうなときは眉に唾をつける」という俗信・迷信が元になっています。
狐や狸は人を化かしたり騙したりするので、騙されないように眉に唾をつけるといいという俗信・迷信です。
では、なぜそんなことをしたら、キツネやタヌキに騙されなくなるのでしょうか。
そういわれるようになった起源は諸説あるようですが、ここでは代表的な説を二つ紹介します。
一つ目は、キツネは人の眉毛の数を数えて化けたり騙したりすると考えられていて、眉毛の数を数えられて化かされないように、眉毛に唾を塗ることで固めて、キツネに眉毛の数を数えさせないためという説です。
二つ目は、平安時代の豪傑が、山の中で炎をふく大ムカデに出会い、炎に眉毛を焼かれそうになったので、眉毛に唾をつけてそれをしのいで大ムカデを倒したという話があり、そこから、そのような荒唐無稽な話のことを「眉唾物」「眉唾」というようになったという説です。
またこれは、両方ともに通じているとも考えられますが、古来より、唾には魔力を封じる力、霊力があると信じられていたといわれています。それも無関係ではないと考えられているようです。