「清水の舞台から飛び降りたつもりで・・・」などという諺があります。ここではその諺の由来や歴史、面白雑学をご紹介します。
「清水の舞台から飛び降りる」高さ、歴史、雑学
清水の舞台について
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思い切った行動を取ることを「清水の舞台から飛び降りる」という表現することがあります。
ご存知の通り「清水の舞台」とは、京都にある清水寺(きよみずでら)の本堂のことをいいます。
清水寺の本堂は前部分が山の斜面にせり出すように建てられていて、長大な柱で「舞台」と呼ばれる部分を支えています。
この柱の数は実に139本といわれており、そこに釘は使われておらず、「懸造(かけづくり)」あるいは「舞台造(ぶたいづくり)」と呼ばれています。
この本堂は、1633年(寛永10年)に徳川家光の寄進によって再建されたもので、国宝として認定されていて、毎日多くの観光客が訪れています。
ちなみに舞台の高さは11メートル程度ですので、現代の高層建築物に慣れた目から見ると、「聞いたほどには高くないなぁ」と感じる人も多いようです。
清水の舞台から飛び降りたらどうなる?
「清水の舞台から飛び降りたつもりでやってみるか!」などと、思い切りや決断を表すときに使われるこの言葉。
鎌倉時代の「宇治拾遺物語(うじしゅういものがたり)」には、そこから飛び降りた男の話が載っています。
口論の末、追われた男が清水寺の御堂に逃げ込み、そこにあった衝立を抱えて舞台から飛び降り、怪我もせずに谷底に着地して逃げ延びた、というくだりがあります。
実は、清水寺の代々の寺務長は日記をつけていて、その日記をひも解いて、今までに何人の人が舞台から飛び降りたか、そしてその人がどうなったか、という記録が残っています。
現存する日記は1694年(元禄7年)以降のもので、その年から明治政府が「飛び降り禁止令」を出した1872年(明治5年)までの148年間に、234人の人が飛び降り、235件の飛び降り事件が記録されています。
234人、235件と差が出ている理由は、同じ人(女性)が2度飛び降りているからです。
そして、飛び降りて生きていた人は・・・、実に85%(200人)あまりの人が生還しています。
江戸時代には「傘を差して清水の舞台から飛び降りると恋が成就する」などという俗信もあったようで、いつの時代も「飛び降りること」が連想されていたと思われます。
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