「結構です」の意味

「結構です」の意味

「結構です」という言葉で、それは肯定なのか否定なのか、戸惑う人が多いようです。例えば目上の方に何かを確認して「結構です」と言われたときなどです。ここでは「結構です」という言葉の意味をご紹介します。

「結構です」の肯定と否定

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「はい、結構です」、「大変結構です」、「結構ですねぇ」、「結構なお点前(おてまえ)で」、「結構なドレスですね」というような言葉をよく聞きます。

このとき、その言葉は肯定であったり賞賛・賛美の意味で使われます。


ところが同じ「結構です」でも、「もう結構です」、「いいえ、結構です」と言われると、それは否定の言葉になってしまします。

この肯定と否定の2つの使い方を切り分けるポイントは何でしょうか。


そもそも「結構」という言葉自体に否定の意味はありません。

「結構」の意味は「すぐれていて欠点がない」「それでよい。満足である」といったものです。

従って肯定的な使い方は本来の「結構」の意味をそのまま使用していると考えて差し支えないでしょう。


一方で否定的な使い方はどうでしょうか。

「もう結構です」という否定の使い方も、実は「私はもう十分満足しています」という満足の意を表しています。しかし、その満足の裏に「満足なのでそれは不要です」といった満足の裏返しとしての否定の意も持ち合わせているのです。


例えば、新人のAさんが上司のB課長にこれからの行動について「これで進めますが、よろしいですか?」と確認した際にB課長は「結構です」と答えました。

普通に考えればB課長は「OK」と答えているのですが、新人のAさんは普段から語り口の丁寧なB課長が「OK」と言っているのか「やる必要はない」と言っているのか迷ってしまいました。


まあ、分からなければ確認するのが一番確実ですが、その「結構です」が肯定なのか否定なのかを見分けるポイントはあります。


まず、相手がこちらのことに関して「結構です」と言った場合は、肯定を表します

「これで良いでしょうか」=>「結構です」(それで良いです:肯定)

「この資料をご確認いただけますか?」=>(資料を見た後)「結構です」(これでバッチリです:肯定)

「(私が作った)料理の味はいかがでしょうか?」=>「結構です」(満足です:肯定)

と、こんな感じです。先の新人Aさんの質問もこちらに属しますね。


一方、相手がこちらからの提案に関して「結構です」と言った場合は、否定を表します

「お茶をお注ぎしましょうか?」=>「結構です」(満足している(喉は渇いてない)ので不要です:否定)

「新商品をご購入なさいませんか?」=>「結構です」(現状で十分なので新商品は不要です:否定)

「また同じ仕事をしませんか?」=>「結構です」(これまでで十分ですのでやりません:否定)

と、こんな感じです。否定として使われるときは、基本的に「もう」か「いいえ」を頭に付け足したら分かりやすくなると思います。

前述のB課長の「結構です」が、「もう結構です」か「いいえ、結構です」だとトンチンカンな回答になりますよね。それは肯定の意味での使用だからです。(もちろん、それまでの経緯で色々なことがあってトンチンカンにならない場面もあるでしょうが、そのような特殊な状況で「結構です」の一言で答える方もどうかと思います)


このように曖昧になりかねない言葉なので、明確な意思を伝えたい場合の使用には十分注意が必要です。

こちらが使用した場合、相手が誤解していないかどうかにも注意すべきです。



「結構ですか?」という言い方について

「結構です」の意味[この世の掟.com]

レストランなどで注文をした際、店員さんが「ではご注文を繰り返します。XXが一点、○○が一点。以上で結構でしょうか?」という場面を見たことが何度かあります。


言葉を知っている人が聞いたら明らかにおかしな言い方ですが、これは「結構ですか?」を「よろしいですか?」の丁寧な言い方と勘違いしているものと思われます。


そもそも前述したように「結構です」は自分の満足を表す表現です。(否定の場合も自分の満足の裏返し)


ですので「結構ですか?」「結構でしょうか?」などという聞き方は「満足したと思ってますか?」という風になってしまい、おかしいですし、場合によっては失礼にあたるでしょう。


上記の注文の場合、店員さんが復唱して「以上でよろしいでしょうか?」と言った言葉に対して、客側が「結構です」となるのが本来の姿です。


また、店員さんからお水を注ぎ足すかどうかを聞かれて「結構です」とお断りすることは良くあることです。

しかし、店員さんの方が「結構」と言ってはいけません。例えば数人で食事をしているテーブルのお客様に水の注ぎ足しを要求された際、ひとりだけまだ水を全然飲んでなくて注ぎ足す必要がないとき「そちら様は結構ですね」と言った人がいます。

目くじらを立てるほどではありませんが、聞きようによっては「水は十分なはずだからこれ以上はあげませんよ」という風に聞こえます。

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