手紙の書き方 時候のあいさつ(4月・5月・6月)

手紙の書き方 時候のあいさつ(4月・5月・6月)

手紙の前文では「頭語」の後に「時候の挨拶」を書くのが一般的です。時候の挨拶の慣用句を覚えておくと非常に便利ですが、全て記憶しておくのは難しいものです。ここでは、4月、5月、6月によく使用される時候の挨拶(漢語調・口語調)を紹介します。

時候のあいさつを書くときの注意点

スポンサード リンク


手紙、特に形式的な手紙は、前文、主文、末文、後付という構成で書くのが一般的です。

そして、前文の冒頭は「頭語」を書いて、続けて時候の挨拶を書くのが通例です。


時候の挨拶には、「若葉の候」「麦秋のみぎり」のような漢語調の慣用句と、「春風が心地よい季節となりましたが」「梅雨明けの待たれる毎日ですが」のような口語調の表現があります。

漢語調の時候の挨拶は、簡潔で格調高い響きがあるので、儀礼的な手紙、ビジネス文書などに用いられるのが一般的です。

一方、口語調の時候のあいさつは、柔らかく親しみやすい感じがするので、親しい知人や友人など、個人と個人との手紙の際に用いられるのが一般的です。


時候の挨拶の慣用句を使用するのは便利ですし、手紙の書き方のマナーとしても一般的なものですが、安易に使ってマナー違反をしてしまわないように注意が必要です。

違う季節の時候のあいさつを間違って使ってしまうのは論外ですが、比較的暖冬の年に「厳寒の候」だとか、明らかに冷夏なのに「連日うだるような暑さが続きますが」などと書いてしまっては、あまりにマニュアルどおりで、深く考えずに手紙を書いたと思われてしまい失礼にあたります。

また、同じ月だとはいっても、上旬、中旬、下旬では、季節感にも違いがある月もあるものです。

これらのような点にも留意し、手紙を書くときの実際の季節感にあわせて、適切な時候の挨拶を用いるように気を付けましょう。


4月(卯月・うづき)の時候の挨拶の慣用句

手紙の書き方・マナー[この世の掟.com]

漢語調

・晩春の候、晩春のみぎり

・陽春の候、陽春のみぎり

・春暖の候、春暖のみぎり

・春和の候、春和のみぎり

・仲春の候、仲春のみぎり

・桜花の候、桜花のみぎり


口語調

・桜の花がほころび始めました

・春風が心地よい季節となりましたが

・春光うららかな季節となりました

・花の便りが聞かれるこの頃

・春眠あかつきを覚えずとか申しますが

・春らんまんの頃


5月(皐月・さつき)の時候の挨拶の慣用句

漢語調

・新緑の候、新緑のみぎり

・若葉の候、若葉のみぎり

・青葉の候、青葉のみぎり

・惜春の候、惜春のみぎり

・薫風の候、薫風のみぎり

・万緑の候、万緑のみぎり


口語調

・新緑の美しい季節となりましたが

・五月晴れの空に新緑が映える好季となり

・青葉若葉のさわやかな季節となりましたが

・日に透ける若葉の目にしみる頃

・風薫る季節


6月(水無月・みなづき)の時候の挨拶の慣用句

漢語調

・初夏の候、初夏のみぎり

・入梅の候、入梅のみぎり

・梅雨の候、梅雨のみぎり

・麦秋の候、麦秋のみぎり

・薄暑の候、薄暑のみぎり

・向暑の候、向暑のみぎり


口語調

・木々の緑も一段と深みを増し

・うっとうしい長雨が続きますが

・青空が恋しいこの頃ですが

・梅雨明けの待たれる毎日ですが

・若鮎のおどる季節が到来しました

・庭の紫陽花が雨に濡れて

スポンサード リンク

このページのトップへ


スポンサード リンク